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福田海斗インタビュー「タイでルンナライと戦っても勝つ自信はあります。」

MuayThai Super Fight プロモーターアカウントに掲載された海斗選手のインタビューです。

10月6日(日)「Suk Wanchai MuayThai Super Fight vol.6」(名古屋国際会議場イベントホール)で、軽量級最強と言われるルンナライ・ギャットムー9(ルンピニースタジアム スーパーフライ級王者)を3RKOで下し大金星を挙げた福田海斗(キング・ムエ)。「絶対に勝てない」とまで言われてたルンナライ戦をどう戦ったのか、試合前の心境から対ルンナライ戦のゲームプラン、今後の目標まで語ってくれた。(聞き手;MuayThai Super Fight広報担当)

―試合から4日ほど経ちましたが、あらためてルンナライ戦の勝利おめでとうございます!
(福田)ありがとうございます。地元名古屋ということもあり多くの人が応援に来てくれていたので勝つことができてホッとしています。

―タイのムエタイ関係者はもちろん、日本のファンも非常に驚いていますよ。
(福田)まぁ、そうでしょうね(笑)。でもいつも通り試合しただけなので・・・、なんか実感はわかないですね。周りからも「今回は勝てないよ」と言われてましたが自分は普通に勝つつもりだったし、会長と一緒に立てた作戦を淡々と実行すれば確実に勝つ、って自信ありましたよ。

―それはどんな作戦だったのですか?
(福田)作戦は・・・本当に細かいので全部は言い切れませんが、ローを当ててパンチという単純なところが前提ですね。

―福田選手ですからヒザで勝負するのかと思ってました。
(福田)ルンナライ選手はムエカオには滅法強いんです。彼自身首相撲はすごく上手いのだけど、相手に良い位置を取らせないしヒザを蹴らせない。おそらくヒザ勝負したら簡単にあしらわれていたと思う。それよりパンチでしたね。

―第1、第2ラウンドはそのローがよく当たっていました。
(福田)いい感触はありました。でも、ルンナライ選手のプレッシャーや反応の良さに戸惑ってしまった部分もあるので・・・何をやっても当たらないしスキがないというか、ミドルも速くてスネがメチャクチャ硬かったです(苦笑)。試合後タイの関係者から言われたのですが、もしタイのように賭けがあったとしたら2R終わった時点で賭け率は完全にルンナライへ流れていたとのことでした。

―そうなんですか!?まったく互角のように見えていましたが。
(福田)単純にパンチや蹴りが当たったというだけではないですからね、ディフェンスとかリズム、相手をコントロールするテクニックはルンナライの方が一枚も二枚も上手でしたよ、やっぱり。

―そんな状況からの見事な3RKO勝ちだったわけですが、あの右ボディフックは狙っていたんですか?
(福田)いや、実は自分の方がローをちょっと効かされてしまって。やっぱりルンナライ選手はタイミングを狙うのが上手いしあの硬いスネで当てられているうちになんか足が重いなって。インターバル中に「ちょっと足が効いてます」伝えたら、会長が「じゃあ、パンチで勝負かけよう。ガードが高いからボディ狙え!」と指示してくれたのでボディ狙いでいきました。ちょうどルンナライ選手の左ヒザに左ボディのカウンターが入って効いたのがわかったんで、ここは行くしかないとプレッシャーを強めて勝負しました。

―でも、もしかしたらパンチやヒジを合わされるかもしれないという怖さもあったと思いますが、どんな気持ちで中に入って勝負したのですか?
(福田)ん〜、そうですねぇ、いつも会長と一緒に練習してきたことを常に頭の中に入れておくこと、あとはインターバル中に指示されたことの中から自分が一番必要だと思ったことを頭の中で反芻しているので、特に恐怖心とかが頭の中に入り込む余地は無いんですよ。無意識に動くというか、集中しているんでしょうね。

―あの右のボデイフックは感触ありましたか??
(福田)自分は今まであまり感触が残るようなパンチはなかったのですが、あのパンチは手に残りましたね。もうこれで立ってこないだろうと思いました。

―さて、今回は日本での試合。いつもタイで試合を行なっている福田選手ですが、やはり日本での試合は違いますか?
(福田)まぁ、やる事は同じなので特に違いは感じませんでしたが、最後までジム(キング・ムエ)で集中して技術練習できたことは良かったですね。いつもは1〜2週間前くらいにタイ入りして最終調整するのですが、タイだといつものルーティンになってしまいがちですから。タイだと試合前のウォームアップもほとんどしませんしね。バンテージ巻いてタイオイル塗って、サッとシャドーしておしまい。日本みたいにミット打ちしたりする選手はいないんですよ。今回、そこだけはタイ式でした(笑)。

―ウォームアップでミット打ちしなかったんですか?
(福田)はい、疲れちゃうので(笑)。

―福田選手は試合前でも随分リラックスしているように見えましたが?
(福田)そうですね、もうかなり試合をしてきているので(今回で62戦目)、試合前に緊張するとか恐怖心を感じるとかは無いですね。

―入場も踊りながらの入場でしたね。タイでも踊って入場するんですか?
(福田)タイはまずもって入場曲をかけて入場するというものがないですから、タイではやらないですね。せっかくの日本での試合ですから、まぁ、ファンサービスですよ。自分の入場曲はセーンチャイ(PKセンチャイムエタイジム)と同じ曲使わせてもらっているので、彼みたいに踊らなきゃって(笑)。サービスになったかどうかわかりませんが(苦笑)。

―日本とはいえルンナライ選手に勝ったことで、タイでの再戦やタイトル戦を期待してるファンも多いと思いますが。
(福田)いくら勝ったとはいえやはり日本なので、今の自分のレベルではタイで実際にルンナライ選手とマッチメイクされるにはもう少し時間がかかると思います。もうひと段階レベルアップして続けていけば組まれるかもしれませんが現時点では無理なのかな、という気がします。

―一般のファンからすると「KOで勝ったのだから今すぐにでも!」と思うのですが・・・。
(福田)確かにそうなんですけど、タイではやはり賭けの流れもありますし当日計量という要素も重要ですし、そういった色んな要素が前提にあったうえでのムエタイなので、日本で勝ったからといってそのままタイで、というのはちょっと変わってくると思います。

―仮に今、ルンナライ選手とタイで再戦となった場合、勝つ自信はありますか?
(福田)自分自身の自信でいえば・・・ありますよ!

―今回は「True4U スック ムエマンワンスック」というテレビマッチのタイトルでしたが、やはりファンはラジャダムナンやルンピニーのタイトルを待ち望んでいます。
(福田)もちろんそういうオファーがあれば嬉しいですが、タイではチャンピオンがNo. 1というわけではないので、それはひとつの通過点ですね。それより、「ヨード・ムエ 」と呼ばれる一流選手達とやり合えるレベルを目指したいです。

―今後、日本のリングに参戦する予定はありますか?
(福田)そうですね、いずれは日本のメジャープロモーションで試合したいと思いますが、今はタイでの試合が優先ですね。

―近いうちに福田選手が日本のメジャー団体のリングで試合してくれることを楽しみに待っています。最後に、対戦してみたい日本人選手はいますか?
(福田)ん〜、(長い沈黙のあと)今はそれを考える余裕がないです、ね。タイでのし上がっていくことで頭がいっぱいいっぱいなので。

―次の試合はもう決まっていますか?
(福田)10月末か11月上旬にまた決まりそうです。

―もちろんタイで?
(福田)もちろんです(笑)。